風邪をひくと血液検査にどんな影響があるの?


最も身近な風邪ウイルスを知る

私たちの体は日々、様々な細菌やウイルスの脅威にさらされています。

しかし、多くの細菌やウイルスは体を防御する免疫系の働きによって守られています。

ところが中には免疫系の防衛ラインを突破し、発熱や炎症を引き起こす猛威を振るうものもあります。

風邪は私たちにとって最も身近な猛威を振るうウイルスの一つと言えるでしょう。

一口に風邪と言っても様々なタイプがあり、その年によって流行るウイルスの型が違います。

有名なのは香港型やソ連型と呼ばれるタイプですね。

風邪ウイルスは主に気道粘膜に取り憑き感染症を引き起こします。

製剤の使用量が減少したため、慢性的な赤字に悩まされているのが現状です。


感染症と血液データの変化
では感染症にかかるとどのような影響がでるのか、血液検査に見られるデーターの傾向を紐解きながら考えていきましょう。

まず、風邪ウイルスのような異物が取り憑き体内に侵入してくると、それを退治するために白血球の数が増加します。

白血球はリンパ節の指令で活性化するため、一番気道に近い頸部リンパ節が最も活発に活動し、その結果オーバーワークを起こすと腫れて痛みを生じることになります。

この時血液検査の中で血算、血沈、血液像検査を行うと血液中の白血球数の増加が認められ、ダメージを受けた赤血球の赤血球沈降速度を測定することで感染の有無と大まかな状態が分かります。

更に炎症を引き起こしている場合には、血液中にC反応性タンパク質が増加するため、この物質を測定するCRPという検査を行うことで炎症の有無と大まかな状態が把握出来るということになります。

更に炎症像から出血している場合には、血液中に血小板の数も増加します。


風邪の症状はさまざまなサインだった!
ではここで風邪になるとあらわれる熱、咳、鼻水について説明していきましょう。

まず風邪以外の感染症でも起こりやすいのが発熱です。

これは侵入してきたウイルスや細菌を撃退するために免疫系がフル稼働しだす時体内では多くの免疫細胞を作り出すために熱反応が起こります。

したがって感染した部分が発熱するのではなく、免疫系がフル稼働するためにオーバーヒートを起こすのが発熱という症状の直接的な原因となります。

つまり風邪を引いて熱が出るのはとても辛い症状ですが、生理的には免疫系が正常に機能している反応だと言えるんですね。

また咳は取り憑いたウイルスが気道内で炎症を引き起こすために起こります。

実は咳も異物を排泄しようとする生理的な反応なんです。風邪による鼻水は鼻粘膜に取り憑いたウイルスが体内に侵入してきた際に主に白血球と戦った死骸達です。

膿みや鼻水が一般的に白っぽい色をしているのは白血球の色なんですね(膿みや鼻水の色が黄色っぽい色や緑色などの場合は異常事態が起こっているサインですので注意が必要です)。

したがって膿みが出たり鼻水が出るのも戦って死亡したウイルスや白血球をいち早く体外に出そうとする防御反応と考えられるんです。

こうしてウイルスや細菌と戦って勝利した後は免疫系の働きも平常時に戻り血液検査のデータも正常値に戻ります。

つまり、感染症を引き起こすと体内の免疫機能はスクランブル指令が出され血液中に異物と戦うための様々な物質が増えることになります。

その増えた物質を採血して調べることで感染症の程度と種類を突き止めることが出来るというわけなんですね。



スポンサードリンク


 インフルエンザの基礎知識

 ノロウイルスの基礎知識

 血液をサラサラにしよう

気になる症状別検査項目
 糖尿病が気になる人はこの検査    GLU(血糖) HbA1c インスリン FRA GA 1,5-AG
 高脂血症が気になる人はこの検査  T-cho TG(中性脂肪) HDL-C LDL-C
 痛風が気になる人はこの検査     UA(尿酸) CRP 赤血球沈降速度
 貧血が気になる人はこの検査     赤血球数 ヘモグロビン Fe TIBC UIBC フェリチン
 お酒の飲みすぎが気になる人はこの検査    γ-GTP TG(中性脂肪) AST ALT


血液疾患
 赤血球の病気     鉄欠乏性貧血 巨赤芽球性貧血 溶血性貧血 再生不良性貧血 
                骨髄異形成症候群 悪性貧血
 白血球の病気     白血球減少症 白血球増加症 移植片対宿主病(GVHD) 白血病
 リンパ系の病気   リンパ節炎 リンパ浮腫 伝染性単核球症 悪性リンパ腫
 血小板の病気    紫斑病 播種性血管内凝固症候群(DIC) 血小板減少性紫斑病 
                血小板機能異常症 
 骨髄・脾臓の病気  多血症 骨髄線維症 脾腫 脾(臓)機能亢進症


スポンサードリンク



血液雑学
 O型はどうして全ての血液型に輸血できるのか?
 なんで血は赤いのに静脈は青く見えるのか?
 血液型別、かかりやすい病気とかかりにくい病気
 血液の流れる速度は新幹線並み!
 蚊は色々な人間の血を吸ってなぜ大丈夫?
 ウナギの刺身は何故無いのか?それは血液と関係があった!
 血液型の確率を知る 〜日本と世界の割合は違う〜
 血液型で本当に性格の違いが出るのか?
 実はこんなにも多い!珍しい血液型
 自分の血液型がわからない!そんなときはどうすればいい?
 赤十字血液センターとはどんな施設?
 風邪をひくと血液検査にどんな影響があるの?
 妊娠中の血液検査重要性を知ろう
 血液透析の仕組みを知ろう
 犬(ペット)の血液検査の見方、料金


検査について
検査の流れ
検査のときの注意
検査の基準値


生化学検査
T-Bil
D-Bil
TTT
ZTT
AST(GOT)
ALT(GPT)
ALP
ALPアイソザイム
LDH
LDHアイソザイム
γ-GTP
LAP
CHE
CPK
AMY(アミラーゼ)
T-cho(総コレステロール)
LDL-C
HDL-C
TG(中性脂肪)
TP(総蛋白)
Alb(アルブミン)
A/G
プレアルブミン
BUN(尿素窒素)
UA(尿酸)
Cre(クレアチニン)
Na(ナトリウム)
K(カリウム)
Cl(クロール)
Fe(鉄)
TIBC
UIBC
フェリチン
GLU(血糖)
HbA1c
インスリン
FRA(フルクトサミン)
グリコアルブミン
1,5-AG
アンモニア
心筋トロポニンT
BNP
ビタミンB12
葉酸
MMP-3
プロカルシトニン
シスタチンC
KL-6
クォンティフェロンTB-2G
血液ガス検査
CRP


血液一般検査
赤血球数
白血球数
ヘモグロビン
ヘマトクリット
赤血球数・指数
 (MCV、MCH、MCHC)
血小板数
網状赤血球数
赤血球沈降速度


凝固・線溶検査
PT(プロトロンビン時間)
APTT(活性化部分トロン
      ボプラスチン時間)
TT(トロンボテスト)
HPT(ヘパプラスチンテスト)
Fib(フィブリノゲン)
FDP
Dダイマー


免疫・血清学検査
HBs抗原
HBs抗体
HCV抗体
梅毒血清検査
HIV抗体
RAテスト

アレルギー反応検査
非特異的IgE(IgE)
特異的IgE(RAST)

腫瘍マーカー検査
CEA
AFP
PSA
CA19-9
CA125
PIVKA-U
SCC
SLX
CA15-3

甲状腺検査
FT3
FT4
TSH