血液透析の仕組みを知ろう


血液透析(人工透析)とは

慢性腎不全などで腎臓の機能が著しく低下してしまった場合、体内では代謝活動の結果、生じた老廃物や毒素を自力で排出することが出来なくなってしまいます。

この場合、一旦人工的に血液を体外に取り出し、血液をろ過してキレイにする装置を循環させた後に体内に戻します。

この治療法を血液透析または人工透析と言います。

血液透析に要する時間は一回3〜5時間程度で、週に3回以上の通院が必要です。

腎臓は24時間フル稼働している臓器ですので、当然透析だけでは不十分になり、投薬治療や生活習慣の見直しなども必要になります。

腎臓は排毒と体内の水分量を調整するという大切な役目を担っている臓器なので、粗末にすると日常生活に重大な支障をきたしてしまうことになります。

こうなる前に生活習慣を見直し、バランスの取れた食事と適度な運動、十分な睡眠を取るなどを心得ましょう。

それでも万が一慢性腎不全を引き起こしてしまった時のために、血液透析についてもう少し詳しく説明していきたいと思います。


血液透析の仕組み
血液透析は何も病気としての慢性腎不全だけでなく、事故などで腹部を強打してしまい腎臓が破裂してしまう重症を負ったときにも必要となりますからね。

血液透析は、一旦取り出した血液をダイアライザーと呼ばれる透析機を使ってろ過し、再び体内へと戻します。

この時、体内に溜まっている尿毒症の原因物質や老廃物をろ過し、血液中のNa(ナトリウム)、K(カリウム)、Ca(カルシウム)などの電解質及びpH(ペーハー)バランスの維持、水分量の調整なども同時に行います。

血液透析時はカテーテルと呼ばれる管を腕の血管に留置してダイアライザーと繋がれます。

治療は週に3日以上行われますので、その都度動脈に針をさしてカテーテルを入れているのでは大量失血を起こすリスクもあるため、簡単な手術を行いシャントと呼ばれるカテーテルの挿入口を作ります。

シャント設置は利き腕とは別の腕の前腕部にある動脈と静脈を繋ぎ合わせる手技を行います。

こうすることで動静脈吻合部が形成され、動脈から静脈に大量の血液が流れ込むため皮膚が隆起してきます。

これが透析の際に針を挿す目安となります。


シャントは透析患者の命綱
血液透析時にはシャントにカテーテルを留置して血液を取り出し、ダイアライザーを循環させ、もう一ヶ所前腕部の静脈に針を挿入し、ろ過した血液を戻していきます。

したがって、シャントは血液透析をする患者さんにとって命綱と言っても過言ではない程重要なものとなります。

一度シャントを作ると、その後もずっとそのシャントを使うことになりますので、次のようなことに注意しながらシャントを管理する必要があります。

まず、日に一度はシャント音(ザーザーという血流音が聞こえます)を確認して詰まりが無いかどうかを確認する習慣をつけます。

また腕時計やリストバンドなどシャントを圧迫する様なものを身につけてはいけません。

血圧の測定はシャントを留置したのとは反対の腕で行います。

シャントは清潔に保ち、傷つけたり打ち付けたりしないように気をつけなければなりません。

透析終了後は止血ベルトを使わずに自分で圧迫止血します。

しかしこうしたことに気をつけていても次第にシャントの機能が低下していくことも考えられますので、少しでも異常を感じた場合には血液透析を行っている医療機関に相談するようにして下さい。

具体的にはシャント音が変わった(ザーザー音からドクンドクンという拍動音に変化したり音が弱くなったりする場合があります)、シャントに痛みや赤み、腫れなどの異常がある、シャント部が硬くなるなどです。



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